今はあまり聞かれませんが、昔は太物屋というものがありました。
太物というのは、綿や麻や楮などで織られた生地のことです。
これに対して、絹で織られた生地を、絹織物と言います。
そのまんまの表現ですね。
太物の糸は絹の糸よりも太いため、反物として生地を巻いた時、絹の反物よりも太くなるので、太物と言ったそうです。
この太物を扱う店を、太物屋と言い、絹織物を扱う店は、呉服屋と呼ばれました。
昔から絹織物は、高貴な人だけが着られる物だったようで、一般の人たちは、丈夫で手入れも簡単で、安価な太物生地を普段着に使っていました。
伊予絣は木綿で作られているので、太物ですね。
ちなみに、絹織物を呉服と呼ぶのは、三世紀に中国の呉の機織りが、日本に伝わり、呉服と呼ばれるようになったそうです。